会話やメールで、冠詞の”a”と”the”の使いわけに悩んだことはありませんか?
冠詞は日本語にはないルールなので、どちらを置けばいいか迷う人が多いんです。
そこで今回は、冠詞の”a”と”the”の違いと使い分けについて説明します。
目次
・1.冠詞とは?
英語の冠詞は、" a"、" an"、" the"の3つあります。
状況に応じて、単数の名詞の前には必ず"a"か" the"をつけます。
I will buy a book.
I will but the book.
一方、複数形の名詞は、基本的に名詞の最後に"s"がついた、複数形に変えるだけでOKです。
I saw dogs.
ただし、例外的に複数形にも"the"をつけることがあります。
4.冠詞 "the"の使い方 [応用編]にいくつか例外を紹介してますので、参考にしてみてください。
・2.冠詞 「a」と「 an」の使い方
ここでは、冠詞の" a"、" an"をどんな時に使うのか説明します。
・ たくさんある中で、どれでもいい1つ
まず、冠詞の " a"は、「たくさんある中の、どれでもいい1つ」のときに使います。
I want to read a book.
(なんでもいいから本を1冊読みたい)
"I need a pen.
(なんでもいいからペンが1本必要)
・ 会話/メールで初めてその名詞について話すとき
「会話やメールの中で、はじめてその名詞について話すとき」も"a"を使います。
まずは会話の例を見てみましょう。
(今日彼女からプレゼントをもらったんだ)
(いいね!プレゼントは何だったの?)
この会話の中で、「プレゼント」というトピックは初めて出てきて、ねこさんにとっては初めて聞く話。
こういう時は、"a"を使います。
Dear Sir or Madam
(ご担当者様)
I am writing this message to make a reservation for a table for tho on 15th November from 7 pm.
(11月15日の午後7時から2名でテーブル席の予約ができるか知りたく、メールをさせていただきます。)
Please reply to this message and confirm the reservation availability.
(このメッセージに予約の可否の返信をいただけますでしょうか。)
「予約」というトピックは、このメールの中で初めて登場しますね。
・「an」 + 「母音はじまりの単語」
母音とは、英語の [A E I O U] の音のこと。
母音で始まる名詞のまえにつくのは"a"じゃなくて" an"になります。
He has an idea.
(彼には考えがある)
・「a」と「an」の発音
最後に、"a"と"an"の発音についても触れておきます。
" a"や"an"を発音するときは、前後の単語と音をつなげて発音することが多いので注意してください。
I need_a book. →「アイニーダブック」
I read_an _article. →「アイレッダナァティコゥ」
I met_a friend. →「アイメッタフレンド」
リンキングについては、次の記事で詳しく説明しているので、一緒に読んでみてください。
-
英語リンキングの3つのルールと正しい練習方法【TOEIC リスニング満点の私が解説】
続きを見る
・3.冠詞 "the"の使い方 [基本編]
ここでは、冠詞の" the"の基本的な使い方を説明します。
" the"は" a"に比べて例外も多いので、[基本編]、[応用編]に分けました。
・ たくさんある中で、「決まった〇〇」
まず最初に、" the"は「たくさんある中で決まった〇〇」のことを話すときに使います。
I want to read the book that my mother gave me.
(母が私にくれた本が読みたい)
数ある本の中で、今読みたいのは「母がくれた、決まった本」だから" the"。
I need the pen that I bought yesterday.
(昨日私が買ったペンが必要)
数あるペンの中で、必要なのは「昨日買った、決まったペン」だから" the"。
・ 会話/メールですでに話題になったとき
続いて " the"は「会話/メールですでに話題になったとき」にも使います。
まずは会話の例を見てみましょう。
Tomが「映画」について話題に出した後なので、" the movie"になりました。
Hi Taro,
(太郎へ)
I am going to have a party at 8 pm tomorrow. Do you want to come?
(明日の午後8:00からパーティを開くんだけど、来ない?)
The party will be held at my house.
(パーティは僕の家で開催されるよ)
「パーティ」について最初に話題に出したときは " a party"にしてるけど、そのあとは "the party"に。
・ 何について話しているか明らかにわかるとき
続いて、" the"は「何について話しているか明らかにわかるとき」に使います。
(暑すぎる。窓を開けてくれないかな?)
(もちろん)
窓は普通1つしか近くにないので、明らかに何を指しているかがわかりますよね。
なので、" the window"にしています。
(僕らのお気に入りのドラマがもうすぐ始まるよ!テレビをつけてくれない?)
(うん!楽しみだ~)
部屋の中にテレビが一つしかない場合。
どのテレビのことを指しているかは、聞いている人にとっても明らかにわかること。
なので、この場合も" the TV"となります。
・ 名詞が1つしかないもののとき
「名詞が1つしかないもののとき」も" the"を使います。
1つしか存在しないものと言えば、例えば次のようなものが思い浮かびますね。
1つしかないもの
- the sun (太陽)
- the world (世界)
- the west, the east, the south, the north (東西南北)
(80歳のおじいさんがエベレストに登ったらしいよ)
(すごい!エベレストって世界一高い山だよ。そのおじいさんを誇りに思うよ)
・「the」の発音
ここでは" the"の発音について説明します。
" the"は軽く前の歯と歯のの隙間をふさぐ感じで発音するのがコツ。
theの発音
I need the book.
I want the sandwich.
I book the train.
-
【英語の発音】を鍛えるための勉強法・おすすめの書籍、アプリを公開します
続きを見る
-
TOEICの点数アップにもつながる【リスニングが苦手】を解決する方法とは?
続きを見る
・4.冠詞 "the"の使い方 [応用編]
"the"の使い方 [基本編]に続き、こちらは"the"の使い方[応用編]の説明をしていきます。
" the"の例外的な使い方を学んでいきましょう。
・「the」 + 複数形
ここでは、つぎの2つの違いについて説明します。
この2つの違いを説明します
- 何も付けずに、複数名詞のみ
- The + 複数名詞
何も付けずに、複数名詞のみ
冠詞を付けないで、複数名詞のみにするときは、「一般に ~」、「全ての ~」 という感じになります。
例えば、こんな会話の例を見てみましょう。
(どんな食べ物が好き?)
(ケーキが好き)
「一般的に、どんな食べ物が好き?」に対して「ケーキ全般が好き」。
こんな感じで、特別な決まったケーキじゃないときは冠詞はつけない複数形の" cakes"がしっくりきます。
The + 複数名詞
一方、同じ質問に対して、" the + 複数形"で返答するとどういうニュアンスになるか見てみましょう。
(どんな食べ物が好き?)
(あのケーキが好き)
(あぁ、あのケーキのこと?たしかに僕も大好き)
" the cakes"だと、話を聞いている人も知っている「あのケーキ」というニュアンスになります。
例えば、「お互いに行きつけのおいしいケーキ屋さんのケーキ」など。
複数のものでも、「決まった〇〇」のようにしたいときは" the"をつけます。
・ 名詞が街中の公共施設のとき
街中にある公共施設などの名詞の前は" the"がつきます。
" the"がつく公共施設の例
- the cinema/movies 「映画館」
- the supermarket 「スーパー」
- the post office 「郵便局」
- the pharmacy 「薬局」
I'm going to the movie with my friends.
(友達と映画に行くんだ)
I need to go to the post office to buy stamps.
(切手を買いに郵便局に行かないといけない)
I want to go to the supermarket to get some vegetables.
(野菜を買いにスーパーにに行きたい)
・ 複数形の国の名前
国の名前は普通冠詞を付けないのですが、複数形の国の名前だけは" the"をつけるんです。
例えば日本をはじめ、次の例の国名の前に冠詞はつけません。
冠詞をつけない国の例
- Japan 「日本」
- China 「中国」
- Spain 「スペイン」
- Germany 「ドイツ」
"the"がつかない
I live in Japan.
(私は日本に住んでます)
一方、国名が複数形のアメリカやフィリピンの場合は、先頭に" the"がついてます。
"the"がつく国の例
- the United States 「アメリカ」
- the Philippines 「フィリピン」
"the"がつく
I live in the United States.
(私はアメリカに住んでます)
アメリカは州がいくつもあって、その一つ一つが集まっている国。
フィリピンも、たくさんの島があって、その一つ一つが集まっている国。
・ 海、川、森、砂漠、運河
「海」「川」「森」「砂漠」「運河」の前にも" the"をつけます。
the + 「海」「川」「森」「砂漠」「運河」の例
- the Pacific Ocean 「太平洋」
- the Mediterranean Sea 「地中海」
- the Yellow River 「黄河」
- the Suez Canal 「スエズ運河」
- the Sahara Desert 「サハラ砂漠」
「山」と「湖」の表記は?
- Lake Biwa 「琵琶湖」
- Mount Fuji「富士山」
・5.冠詞を何もつけない場合
最後に、冠詞を何もつけないパターンについて説明します。
ここまで読んだ方は、「単数の名詞には基本的に" a"か" the"のいずれかをつける」と理解しているはず。
だけど、やっかいなことに冠詞をなにもつけない単数の名詞も存在するんです。
・冠詞を付けない①:前置詞「to」「at」「from」の後によく来る名詞
まず、冠詞を付けないのは前置詞「to」「at」「from」の後によく来る名詞です。
「to」「at」「from」の後に来る名詞
- home
- work
- bed
- school
Dad went to work.
(父は仕事に行きました)
My brother is coming home soon.
(兄はすぐに帰宅します)
It's time to go to bed.
(もう寝る時間だ)
I will go to school by bicycle.
(自電車で学校へ行く)
・冠詞を付けない②:固有名詞 (人の名前、特定の場所、映画、企業名など)
「人の名前」「都市名」「映画のタイトル」「企業名」などの固有名詞の前には冠詞が何もつきません。
冠詞がつかない固有名詞の例
- Brad Pitt 「人の名前」
- Microsoft 「企業名」
- New York 「都市名」
- Harry Potter 「映画のタイトル」
I saw Brad Pitt at Shibuya.
(渋谷でブラピを見かけたよ)
I will travel to New York next year.
(来年ニューヨークに旅行に行くんだ)
I'm a huge fan of Harry Potter.
(私はハリポタの大ファンだ)
・冠詞をつけない③:月・曜日
月、曜日の前にも冠詞をつけないので、覚えておきましょう。
I will visit Spain in April.
(私は4月にスペインを訪れます)
We have a meeting on Wednesday.
(水曜日に会議があります)
・冠詞をつけない④:食事(朝食・昼食・夜ごはん)
朝食、昼食、晩御飯にも冠詞はつきません。
I have breakfast in the morning.
(私は毎朝朝食を取ります)
My boss and I are going to have lunch together.
(上司と一緒にランチをする予定です)
I'm looking forward to having dinner with my friend today.
(今日友達と晩ごはんを食べるのが楽しみ)
・6.まとめ
今回は、「冠詞の" a"と" the"の使い方」について説明しました。
大事なところをおさらいしておきましょう。
" a"、"an"の使い方
- たくさんある中でどれでもいい1つ
- 会話やメールで初めてその名詞について話すとき
- "an" + 母音で始まる名詞
"the"の使い方
- たくさんある中で「決まった」1つ
- 会話やメールですでに話題になったとき
- 何について話してるか明らかなとき
- 1つしかないもののとき
- the + 「複数形」も可能