という人にとって、関係代名詞のthatは頼もしい存在です。
ほとんどの場合、関係代名詞 thatをつかうことができるからです。
今回は関係代名詞 thatを使いこなせるようになるための文法ルールを徹底解説します!
目次
1. 関係代名詞の使い方
関係代名詞thatの詳しい解説に入る前に、ここで関係代名詞についてさくっと説明します。
関係代名詞の主な役割はこちらです。
関係代名詞の主な役割
- 名詞の後ろに置いて、「これから先の文は、名詞の説明がはじまるよ」と教えてくれる信号みたいなもの
- 説明を受ける名詞と、説明する部分をつなげる接着剤
例を見てみましょう。
2. 関係代名詞 thatでどんな名詞でも説明できる!
「人」や「もの・動物」の説明を加えることができる関係代名詞は主に3つ。
基本的に、説明される名詞が「人」ならwho、「もの」ならwhichを使います。
説明される名詞が「人」の例を見てみましょう。
説明される名詞が「人」
This is the girl that (who) Taro likes. (こちらが、太郎が好きな女の子です)
説明される名詞が"the girl"なので、「人」です。
whoを使っても、thatを使ってもOKです。
説明される名詞が「モノ」
The car that (which) you bought is nice.
(君が買った車はかっこいいね)
ポイント説明される名詞が「もの」でも「人」でも、関係代名詞のthatが使える
3. 関係代名詞thatの省略
関係代名詞のthatは、前にどんな名詞が来てもOK!ということがわかりました。
そんな便利なthatですが、実は文の中で省略することもできます。
こちらの章では、「①関係代名詞のthatが省略できるパターン」と、「②省略できないパターン」について解説していきます。
- 関係代名詞thatは省略できる:thatの後ろに主語があるとき
関係代名詞のthatは、thatの後ろに主語があるときに省略することができます。
実際にthatが省略できる例文を見てみましょう。
thatの後ろに主語が来てますね。
説明される名詞"The desk"は、"you bought"の目的語になっています。
このように、説明される名詞が「目的語」に当たるときはthatが省略できます。
- ポイント関係代名詞のthatの後ろに主語が来るとき、thatを省略することができる
- 説明される名詞が、that~の文の「目的語」のときにthatが省略できる
- 関係代名詞thatの省略できない:thatの後ろに主語がないとき
関係代名詞 thatは、すぐ後ろに主語がないときに省略することができません。
例を見てみましょう。
この例で、that~文の主語になっているのは、先頭の「説明される名詞 "The boy"」です。
「説明される名詞"The boy"」がthat~の文の主語になるとき、thatは省略できません。
The watch broke. (時計が壊れた)
「時計が壊れた」という普通の文になってしまうので、thatが必要なんです。
ポイント
- thatのすぐ後ろに、主語ではなく動詞が来るときは省略できない
- 説明される名詞が、that~の主語の時は省略できない
4. 関係代名詞 thatが使えない時
関係代名詞のthatは、説明される名詞が「人」でも「もの」でも使えます。
でも、実は「関係代名詞 thatが使えない」パターンもいくつか存在します。
この章で、どんな時に関係代名詞 thatが使えないのか解説します。
- 関係代名詞 thatが使えない時①:whoseとして使えない
関係代名詞には"who","which","that"の他に、"whose"があります。
そして、関係代名詞のthatはこの"whose"としては使うことができません。
「説明される名詞 "The man"」は、大きな車の持ち主。
関係代名詞の"whose"を使うときは、「説明される名詞 + whose + 持ち物 」の順番になります。
関係代名詞 thatは この"whose"の代わりにはなれません。
ポイント
関係代名詞 thatは「物の持ち主を説明する」whoseとしては使えない
- 関係代名詞 thatが使えない時②:非制限用法では使えない
関係代名詞 thatは「非制限用法」では使うことができません。
ポイント
- 関係代名詞 thatは「, that」の非制限用法では使うことができない。
・ 制限用法と非制限用法の違い
ここにタイトル
- カンマなし (制限用法):who以下の説明で、どの"son"(息子)なのか絞っている
- カンマあり(非制限用法):who以下の説明は、ただのおまけの説明
何人か"son"(息子)がいるうち、どの息子なのかを絞り込むためにはカンマなしの制限用法を使います。
一方、どの息子なのかを絞らず、ただ説明される名詞 "son"(息子)の追加情報を加えるだけなら、カンマありの非制限用法を使います。
・ thatは「カンマと一緒に使えない」なら?:テスト問題の解き方
"thatは「カンマと一緒に使えない」ことがわかってるか?"を試すタイプの試験問題はこんなものが多いです。
説明される名詞「a son」が「人」なので1. whoが正解になります。
5. 関係代名詞 thatしか使えない時
ここからは、関係代名詞 thatしか使えないケースについて説明します。
- 関係代名詞 thatしか使えない時①:先行詞が「人 + もの」の時
先行詞 (説明される名詞) が、「人」のときはwho、「もの」のときはwhichを使うことができました。
でも、「人 + もの」のときは、thatしか使えません。
例を見てみましょう。
I know a boy and his dog that are walking in the park.
(私は、公園で歩いている男の子と、彼の犬を知っています)
先行詞 (説明される名詞) が「人 + 動物」(a boy and his dog)なので、関係代名詞は「that」を使います。
- 関係代名詞 thatしか使えない時②:先行詞がwhoの時
先行詞 (説明される名詞) がwhoの時も、関係代名詞はthatしか使えません。
例を見てみましょう。
Who that studies hard would fail the exam?
(一生懸命勉強した人で、誰が試験に失敗するだろうか)
先行詞 (説明される名詞) がWhoなので、関係代名詞はthatを使っています。
Who who studies hard would fail the exam?
(一生懸命勉強した人で、誰が試験に失敗するだろうか)
whoが2つ連続して、「誰?」の疑問詞のwhoなのか、関係代名詞のwhoなのか見分けづらいですね。
疑問詞と関係代名詞の区別がつくように、疑問詞のwhoやwhichで始まる文では関係代名詞 thatを使います。
- 関係代名詞 thatしか使えない時③:先行詞に強調する表現があるとき
英語には、単語を限定・強調するものがいくつかあります。
例えば、こんなもの。
1. 最上級(最も〇〇だ)
tallest, smallest, highest, most beautiful, smartest
(最も! 高い、小さい、高い、美しい、頭がいい)
2. 何番目 (〇番目に〇〇だ)
First, Second, Third
(1番目に、2番目に、3番目)
3. すべて、唯一
anything, all
(どれも、すべて)
only ,very
(唯一)
そして先行詞 (説明される名詞) に①最上級、②何番目、③すべて(唯一)があるときは、関係代名詞のthatを使います。
・ 先行詞を強調する表現①:先行詞に最上級の形容詞が付いている
先行詞 (説明される名詞) に最上級の形容詞が付いているときは、関係代名詞のthatを使います。
This is the biggest box (that) I've ever seen.
(これは今まで見た中で一番大きな箱です)
先行詞 (説明される名詞) "box"に最上級「the biggest」が付いているので、関係代名詞は「that」を使います。
関係代名詞のthatは省略することもできます。
・ 先行詞を強調する表現②:「first」「Second」「Third」が付いている
先行詞 (説明される名詞) に「first」「Second」「Third」...がついている時も関係代名詞はthatです。
This is the first book (that) I've ever read.
(これは私が初めて読んだ本です)
先行詞 (説明される名詞) "book"の前に"the first"がついているので、関係代名詞のthatを使っています。
関係代名詞のthatは省略することもできます。
・ 先行詞を強調する表現③:先行詞に「anything」「all」「only」「very」などの語がある
先行詞 (説明される名詞) に「すべて、どれも、唯一」を表す単語があるときは、関係代名詞のthatを使います。
「すべて、どれも、唯一」を表す単語例
anything, all, everything, nothing, only, very, no
例を見てみましょう。
Is there anything that I can help you with?
(私に手伝えることはありますか?)
先行詞 (説明される名詞) が"anything"なので、関係代名詞のthatを使っています。
関係代名詞のthatは省略することもできます。
6. 関係代名詞 thatを使った例文
この章で、関係代名詞 thatを使った例文をご紹介します。
The woman that is working at that cafe is my mother.
(カフェで働いている女性は私の母です)
I know the guy that is crossing the street.
(通りを渡っている男性を知ってます)
When are you gonna throw away the watch that broke yesterday?
(気の壊れた時計をいつ捨てるつもりですか?)
You're the only one that is from Canada.
(あなたが唯一のカナダ出身者です)
She has a book that is about American history.
(彼女はアメリカの歴史に関する本を持ってます)
I like the songs (*that) Adele wrote.
(アデルが書いた歌が好きです)
Is there anything you (*that) you want me to do?
(何か私にして欲しいことはありますか?)
This is the best movie (*that) I've seen.
(これは私が見た中で一番の映画です)
I'm looking forward to meeting people (*that) you invited to the party.
(あなたがパーティに招待した人達に会えることを楽しみにしています)
Paris is the city (*that) I visited last year.
(パリは私が昨年訪れた都市です)
7. まとめ
色々と細かいことを書きましたが、会話の中で使う分にはthatを使っとけばまずOK。
thatが使えないケース
- 関係代名詞 "whose"としては使えない
- 非制限用法(カンマ「,」つき)で使えない
リスニング対策のために、thatが省略できることを頭の片隅にぼんやり入れときましょう。
thatが省略できる/できないとき
- 省略できる:thatの後ろに主語があるとき
- 省略できない:thatの後ろに主語がないとき
試験対策が必要な方は、"thatしか使えない"ケースも覚えときましょう。
むしろthatしか使えないとき
- 先行詞 (説明される名詞) が「人 + もの」のとき
- 先行詞 (説明される名詞) がwhoのとき
- 先行詞 (説明される名詞) に強調する表現があるとき