多くの人にとって英語のリスニングが苦手な理由は、「ネイティブは文字通り発音しないから」。
ネイティブは会話の中で「音を変化させる」ことがほとんどなので、日本人が聞きとれない音が多くあります。
「音の変化」についてのルールは複数ありますが、一番多用されているのが「リンキング」。
そこで今回は、「リンキングの3つのルール」について詳しく説明します。
こんな人におすすめの記事
- 文章の聞き取りが苦手
- 発音を良くしたい
- 「リンキングのルール」が知りたい
目次
・1.リンキングとは?
リンキングとは、「単語から単語へと音がつながること」です。
文章ではスペースを挟んで離れている単語でも、話すときは音をつなげて1つの単語のように発音します。
例えば、次の"What time"、「ワット・タイム」ではなく、「ワッタイム」。
What time →「ワッタイム」
"what"の「最後の音」と、2つ目の"time"の「最初の音」がつながり1つの音へ変わります。
「リンキング」のパターンは大きく分けて3つあります。
リンキング3つのルール
- 「子音」+「子音」
- 「子音」+「母音」
- 「母音」+「母音」
・2.リンキングを学ぶメリット
こちらの章ではリンキングを習得することのメリットについて説明します。
リンキングを学ぶメリット
- メリット①:英語が聞き取れるようになる
- メリット②:英語が伝わるようになる
・メリット①:英語が聞き取れるようになる
冒頭でお伝えした通り、ネイティブは会話の中で音を変化させます。
英語が聞き取れない理由は、この「音の変化」のルールを知らないだけ。
・メリット②:英語が伝わるようになる
ネイティブは、会話の中で単語ごとに切り離して発音しません。
単語同士をつなげて、1つの音に聞こえるようになめらかに発音します。
次の例文でも、"red"と"dress"を分けて発音せず、まるで1つの単語のように発音してますね。
It's a really nice red dress. →「レッドレス」
・3.英語の「母音」と「子音」をおさらい
リンキングの説明の中では、用語として母音と子音がたくさん登場します。
頭が混乱しないように、先に母音と子音が何なのかを確認しておきましょう。
「母音」・「子音」とは?
- 「母音」= A E I O U
- 「子音」= 「母音」以外
・4.リンキングの3つのルール
母音と子音の確認が済んだところで、ここからリンキングについて詳しく説明していきます。
リンキング3つのルール
- 「子音」+「子音」
- 「子音」+「母音」
- 「母音」+「母音」
・リンキングのルール①:「子音 + 子音」
リンキングの1つ目は子音 + 子音のパターンです。
次の例のように、子音同士をつなげて発音します。
bus_stop →bustop 「バストップ」
"bus stop"と発音するとき、間に"s"が2個ありますが、発音するのは1回だけ。
2つの単語 "bus"と"stop"が間の"s"を共有しているみたいになります。
「子音」+「子音」のパターン3つ
- パターン①:「同じ音」がリンクする
- パターン②:「口の形が似ている音」がリンクする
パターン①の「同じ音がリンクしている」は、"bus stop"のように、単語の「最後の子音」と、次の単語の「最初の子音」が同じ時。
・「子音 + 子音」のパターン①:「同じ音」がリンクする
単語が2つ並んでて、前の単語の「最後の子音」と、2番目の単語の「最初の子音」がリンクします。
feel_lucky → feelucky 「フィォラキィ」
red_dress → redress 「レッドレス」
what_time → whatime 「ワッタイム」
このように、2つの単語が一つの音をシェアしているように、つなげて発音します。
次の例でも、つながっているアルファベットは違いますが、音が一緒なのでリンクしています。
look_cool → 「ルックゥオォ」
quite_tall → 「クワイトゥォー」
nice_sofa → 「ナイッスォフゥァー」
リンクしない例外の音もある:tʃ と dʒ
例外として、"tʃ [チュッ]"と "dʒ [ジュッ]"の音はリンクさせません。
音声確認
"tʃ " [チュッ]
"dʒ" [ジュッ]
次の例のように、"tʃ "と "dʒ"の音を含む単語が並んだときは、音をつなげません。
each choice [tʃ] →「イーチ チョイス」
orange juice [dʒ] →「オォラァンジ ジュース」
・「子音 + 子音」のパターン②:「口の形が似ている音」がリンクする
同じ音の時だけではなく、実は口の形が似ている音の場合も、「最後の子音」と「最初の子音」がリンクします。
次の例でも、似た音を持つ子音がリンクして発音されてます。
cheese_sandwiches → cheesesandwiches
"cheese"の最後の音は「ズ」"sandwiches"の最初の音は「ス」
濁った音かどうかだけの違いで、音はとても似ているので、リンクさせることができます。
"cheeze"の最後の音「ズ」を発音するとき、舌先は上の前歯の裏にあります。
続けて"sandwiches"の最初の「ス」を発音するときも舌の位置は変えないで、「ス」を発音します。
Nice_to see you. →「ナイストゥシィユァ」
I like dark_green. →「アイライクダークグリーン」
Stop_buying. →「ストッ(プ)バイイング」
Are there Enough_vegitables? →「イナフヴェズィタブォズ」
アルファベット自体の「正しい音」に関する記事もあるので、この記事と併せて読むのがおすすめです。
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【英語の発音】を鍛えるための勉強法・おすすめの書籍、アプリを公開します
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・リンキングのルール②:「子音 + 母音」
リンキングの2つ目のパターンは、子音 + 母音のパターンです。
これは単語の「最後の子音」と次の単語の「最初の母音」がリンクして、1つの音になるパターンです。
on_a day →「オナデイ」
stand_up →「スタンダップ」
sing_a song → 「スィンガソォング」
come_on → 「カモン」
take_it_easy → 「テイキリィズィー」
・リンキングのルール③:「母音 + 母音」
リンキング3つ目のルールは、「母音 + 母音」です。
母音から母音へつなげて発音をする時は、間に子音の[j]か[w]の音を入れると発音しやすくなるんです。
例を見てみましょう。
May_I ask? → May_/j/_I ask? 「メイャァイアスク」
two_apples → two_/w/_apples 「トゥウワァポーズ」
Do_I? → Do_/w/_I? 「ドゥワァイ」
[j]と[w]のどちらが来るかは、母音の組み合わせによって決まります。
母音と母音をつなげて発音するときは、できるだけ自然に音がつながるように発音してみてください。
試してみて、早く、流ちょうに言えるものが正解です。
・5.リンキングおすすめの練習方法
リンキングについての知識はあるものの、どういう練習をすれば身につくのか知りたいですよね。
ここでは、リンキングをマスターするためのおすすめの練習方法を紹介します。
- [シャドーイング] 声に出して練習する
- 英語音声をたくさん聞く
・ステップ①:[シャドーイング] 声に出して練習する
まずはシャドーイングをします。
シャドーイングとは、英語音声を聞いて、1,2秒遅れて聞こえたとおりに自分で発音する練習のこと。
実際のネイティブの発音を真似しながら何度も発音していると、リンキングの「音の変化」が自然と脳に染みついてきます。
シャドーイングの詳しいやり方はこちらの記事にあります。
-
【英語のシャドーイング】効果と正しいやり方を初心者にもわかりやすく説明します
続きを見る
・ステップ②:英語音声をたくさん聞く
シャドーイングでじっくり「音の変化」を定着させたら、英語の音声をたくさん聞きます。
洋画や海外ドラマはネイティブの会話の宝庫。
ネイティブは会話の中で何度も音をリンクさせているので、見れば見るほどリンキングのパターンに慣れます。
ちなみに私の一押しの海外ドラマは「ビッグバン★セオリー」。
こちらの記事でドラマの内容やおすすめポイントを紹介してます。
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「ビッグバン★セオリー」が英語学習に最適な理由【海外ドラマ】
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・6.リンキング練習のコツ
ここではリンキングの練習をする時のコツを紹介します。
・練習のコツ①:スペースを空けずに発音する
1つ目のコツは、「話すときにスペースを空けない」こと。
例えば次の例でも、"feel"と"lucky"を別々に発音するのではなく、1つの単語のように発音します。
feel_lucky → feelucky
・練習のコツ②:音を丁寧にマネする
2つ目のコツは、「音を丁寧にマネする」こと。
「音を丁寧にマネする」ためには、次の2つのプロセスが必要です。
音を丁寧にマネするとは?
- ネイティブの発音の特徴を耳で覚える
- 自分の音と比較し、違いをなくす
リンキングもふくめ、リスニングスキルを伸ばすためには、「ネイティブと同じように発音する」のが一番大事。
なので、練習するときは、お手本の音をコピーするように、自分の音との違いをなくす作業が必要なんです。
そこで自分の声を客観的に聞くためにおすすめなのが、スマホのボイスメモ。
無料のもので十分なので、自分の声を録音してネイティブの音と聞き比べてみましょう。
・練習のコツ③:ゆっくり話す
2つの単語がつながって聞こえるのは、早く話しているからではありません。
ゆっくり話しても、音をつなげることはできます。
・7.リンキングおすすめの教材
ここでは、リンキングの学習・練習におすすめの教材を紹介します。
・おすすめ教材①:「英語は5つの口で発音できる」
おすすめ教材1つ目は、「英語は5つの口で発音できる」英語の発音強化に特化した書籍です。
リンキングと一緒に、「発音上達」のための全般的な学習がしたい人におすすめです。
おすすめポイント
- 「発音上達」に必要な要素が網羅されている
- CD付きでそのまま練習できる
- 写真付きでわかりやすい
リスニング上達に必要な「アルファベットの発音」、「音の変化」、「イントネーション」といった項目がすべてカバーされてます。
練習方法が具体的に載っているので、学習しつつ、同時に練習も進めたい人におすすめ。
・おすすめ教材②:「あいうえおフォニックス」
おすすめの教材2つ目は「あいうえおフォニックス」すきま時間で動画を見ながら学習したい人におすすめ。
こちらも、リンキングだけでなく、アルファベットの発音を学ぶことができます。
おすすめポイント
- スマホさえあればいつでもどこでも見れる
- 子供でも理解できるほど、説明がわかりやすい
- 動画を見ながら声に出して練習できる
こちらの動画はYoutubeで無料で配信されてるので、好きな場所でいつでも視聴可能です。
子供でも理解できるぐらい説明がわかりやすいので、お子さんと一緒に勉強したいお母さんにもおすすめ。
・おすすめ教材③: TED Talks
おすすめの教材3つ目は、「TED Talks」様々なカテゴリーの中から、質の高いプレゼンを無料で見ることができます。
シャドーイングで使う英語音声として活用するのがおすすめです。
おすすめポイント
- 幅広いトピックから興味のある動画が選べる
- 英語字幕付きで練習しやすい
- 話す速度が変更できる
TEDで扱われているトピックの種類は数100以上。
TEDでは英語字幕を追いながら視聴することも可能ですし、速度の調整もできます。
シャドーイング練習にぴったりの、最高の英語コンテンツですね。
・8.まとめ
今回は、英語のリスニング・発音に効果的な、リンキングの学習について説明しました。
おさらいになりますが、リンキングの3つのルールはこちら。
リンキング3つのルール
- 「子音」+「子音」
- 「子音」+「母音」
- 「母音」+「母音」
短い時間でも、練習すればリスニングも発音も飛躍的に上達するので、ぜひお試しください。
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