音声変化がつかめると、リスニングや発音が上達するらしい。
音声変化っていったいどんなものなんだろう。
あと、音声変化をマスターするための勉強方法が知りたい
今回は、こういった疑問にお答えしていきます。
この記事の内容
- 英語の音声変化とは?
- 英語の音声変化をマスターするための勉強方法
この記事を書いている私は、独学で発音を学び、TOEICのリスニングで満点を取得しました。
現在、外資系企業にて英語で仕事をしています。
リスニングや発音が苦手なほとんどの理由は、英語の「音声変化」を知らないから。
ネイティブは会話の中で「音を変化させる」ことがほとんどなので、日本人が聞き取れないことが多いんです。
つまり、この「音声変化」を知るだけで、一気に英語が聞き取れるようになります。
そこで今回は、英語の音声変化「リンキング」「リダクション」「フラッピング」について説明していきます。
目次
・1. 英語の音声変化とは?
ネイティブは英語を話すときに、英語を見た目通りに発音しません。
例えば、"take it easy"は見た通りに発音すると、「テイクイットイージー」です。
でも、ネイティブはこれを「テイキリーズィー」とつなげて発音します。
このように、英語を発音するときの英語の音の変化のことを「音声変化」と呼びます。
英語の音声変化には、大きく分けて次の3つのパターンがあります。
- リンキング
- リダクション
- フラッピング
・リンキング
リンキングとは、「単語から単語へと音がつなげて発音すること」です。
見た目は離れている単語同士でも、話すときは音をつなげて1つのかたまりとして発音します。
例えば、"what time "の発音は「ワッタイム」
what_time = whatime 「ワッタイム」
"what"の最後の"t"と2つ目の"time"の始まりの"t"の音がつながり、まるで一つの単語のように発音します。
リンキングは、英語の音声変化の中でも、特にネイティブが多用するルールです。
リンキングは次の3つのパターンに分かれます。
「子音」+「子音」
「子音」+「母音」
「母音」+「母音」
それぞれの内容について、詳しくはこちらの記事にまとめています。
-
英語リンキングの3つのルールと正しい練習方法【TOEIC リスニング満点の私が解説】
続きを見る
・リダクション
リダクションとは、強調しなくていいところを「弱く発音する」 or「発音しない」ことです。
ネイティブスピーカーは、アクセントがないところや、意味をもたないところは強く発音しません。
例えば、"Give me that"は見た目通り発音すると、「ギミダット」
でも、ネイティブの発音の仕方は「ギミダッ」最後の[t]は発音しません。
Give me that. 「ギミダッ」
このように、強調する必要がないところを発音しないリダクションには次のようなパターンがあります。
- ほとんど発音しない母音
- " and"は"n"だけ発音する
- " or"は"r"だけを発音することがある
- herやhimから[h][th]が省略される
- 前置詞(to, at, for)は弱く短く発音
- be動詞 (was, were, isなど)
- some
リダクションするパターンについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
-
英語のリダクションとは?例を紹介しながら説明します【音声変化】
続きを見る
・フラッピング
フラッピングとは、英語の[t]を発音するときに、日本語の「ラ」と英語の[d]の音が混じったような音になること。
例を見てみましょう。
water [ワーダー]
letter [レダァ]
butter [バダァ]
例ではわかりやすいように「ダ行」で表していますが、音声を聞くと「ラ行の音に[d]が混じったような音」に感じます。
[t]が「ラ行 + [d]」の音に変化するのは、次の2つの共通点に当てはまるときです。
- 共通点①:[t] が母音の間にあるとき
- 共通点②:[t] の前にアクセントがあるとき
例えば、"water"も[t]の前は"a"、うしろは"e"なので、母音に挟まれていますね。
wa_t_er
また、"water"のアクセントは[t]の前。
water [wɔ'ːtər] = 「ワーダー」
基本的には、この2つの条件に当てはまればフラッピングしますが、例外もあります。
例外含め、さらに詳しくはこちらの記事をご参照ください。
-
英語のフラッピングとは?【音声変化に慣れてリスニングが上達!】
続きを見る
・2.英語の音声変化をマスターするための勉強方法
ここまでで、英語の音声変化にはリンキング・リダクション・フラッピングの3つあることがわかりましたね。
この章では、英語の音声変化をマスターし、リスニングや発音のスキルを上達させる方法について説明していきます。
結論から言うと、次の(1)をした後に、(2)(3)を同時並行して行うのがおすすめです。
step
1(1) CD付きの参考書で効率的に音声変化を学ぶ
step
2(2) 海外ドラマ・映画をたくさん見る + (3) 英語音声でシャドーイングする
・CD付きの参考書で効率的に音声変化を学ぶ
私の記事を見れば基礎知識は学べますが、一度CD付きの書籍を使って「音声変化」について一通り練習することをおすすめします。
英語の発音に特化したCD付きの書籍であれば、発音のコツが詳しく学べますし、CDで正しい音の確認もできます。
実際に私も書籍を使ってみて思うのは、コツを知っていると、ラクに発音できるようになるということ。
サッカーなども一緒ですよね。やみくもに見たままマネするよりも、コツを教えてもらったほうが上達が早くなります。
ですので、2週間ぐらいの短い期間でサッと練習をしてみるのは悪くないです。
そこで、「音声変化」を学ぶのにおすすめは、次の2冊です。
どちらも、アルファベットの音・音声変化・イントネーションのすべてをカバーしています。
本の詳細は、英語のリダクションとは?例を紹介しながら説明します【音声変化】で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
・海外ドラマ・映画をたくさん見る
書籍で2週間ぐらいの練習をしたら、後は好きな英語素材を使ってたくさん英語を聞きましょう。
海外ドラマ・映画・洋楽なんでもありです。
この時、リンキング・リダクションなどの「音声変化」について、あれこれ考える必要はありません。
純粋に日本語字幕でドラマや映画を楽しみましょう。
これまでは、英語の「音の変化」について知らなかったので、ドラマや映画をみてもちんぷんかんぷんだったはず。
でも、いったん「音の変化」について理解した後なら、聞き取れる英語の音もだいぶ増えています。
楽しく見続けていれば、自然と「英語の音」に耳が慣れていきます。
・英語音声でシャドーイングする
シャドーイングとは、英語音声を聞いた後に、自分で真似をしながら発音する練習方法のこと。
英語音声は自分で発音してみるのが大切です。
発音がうまくなって、言いたいことが伝わりやすくなるのはもちろんのこと、リスニングも上達するからです。
・発音を良くするためには口を動かすのが必須
英語はスポーツと同じで体を動かすことで、話せるようになります。
例えば、テニスにしたって、最初は体がうまく動かず、ボールにあてるのすら難しいですよね。
それが繰り返し練習していくと、意識しなくてもラケットにボールをあてて打ち返すことができるようになります。
英語も同じで、反復して声に出す練習をしていれば、発音も次第に上達します。
発音が上達すれば、当然ながらネイティブとの会話で自分の言いたいことが伝わるようになり、伝わらないストレスから解放されます。
・発音が上達すれば、リスニングもできるようになる
発音が上達するメリットとして有名なのが、リスニングにも効果があるということ。
発音できる音は、自然と聞き取ることもできるようになります。
例えば、典型的なカタカナ英語の発音の人が、ネイティブの英語を聞いてもさっぱり聞き取れないのは当然。
なぜなら、自分が正しいと思っている英語の音と、正しい英語の音にギャップがあるから。
例えば、次の"I'll take it"の発音でも、これだけ日本人とネイティブの認識している音が違えば、聞き取れないはずですよね。
I'll take it 「アイルテイクイット」(カタカナ英語)
I'll take it 「アゥテイッキット」 (ネイティブの発音)
一方で、ネイティブと同じように発音できる人は、ネイティブの発する音と、自分の知っている英語の音が一致しています。
なので、ちゃんと聞き取ることができるんです。
このように、発音とリスニングは比例して上達していきます。
・シャドーイングのやり方
シャドーイングのやり方については、こちらの記事に詳しくまとめています。
この記事を読んで、シャドーイングの練習をしてみてください。
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【英語のシャドーイング】効果と正しいやり方を初心者にもわかりやすく説明します
続きを見る
・3.まとめ
英語の「音声変化」は大きく分けて3つ。リンキング、リダクション、フラッピングです。
リスニングができない、発音が苦手の原因は「音声変化」について知らないことがほとんど。
「音声変化」について理解したうえで、たくさん英語を聞く&話すを繰り返せば、確実に英語力はあがります。
さくっと「音声変化」について理解しておきましょう。