英会話習得のために文法に時間を割くべきかは多くの人にとって悩みどころ。
英語学習の専門家 による答えはこちら。
ポイント
文法はそこまで時間を割きすぎない程度にやる。
アウトプットのトレーニングに優先して時間を使ったほうがいい。
つまり、「文法は本格的に英会話の練習に入る前に、ある程度文法の基礎を復習するのがベスト」ということ。
そこで今回は、中学レベルの英文法おさらいとしておすすめの参考書3冊をご紹介します。
英語初心者の人が抱きがちなこうした疑問を解決するために、わかりやすく・丁寧に解説していきます。
目次
・1. 英会話の前に英文法の知識が必要なのはなぜ?
・① 日本人は英語の語順が苦手だから
日本語と英語の語順は真逆になってます。そして、それが日本人が英語を苦手とする原因の一つと言われています。
英会話をするときって、自分の知っている単語をどうやって並べていくか、つなげていくかがわからないと文を作れないですよね?
なので、日本人にとっては、まずこの"英語の語順"のルールを知っておくことが重要です。"英語の語順"は文法用語では文型と呼ばれています。
日本語と英語で語順が違う例を具体的に見ていきましょう。
日本語の語順
英語の語順
このMr. Tomのセリフは英語にすると、次のようになります。
英語バージョン
I watched a comedy movie with Penpen yesterday.
(私は見ました、コメディ映画を、ぺんぺんと、昨日)
この2つの語順の違いを比べてみましょう。日本語の語順は我々日本人ならなんら違和感なく自然に読める順番ですね。何をしたのか(映画を見た)という文の一番重要な情報は最後にあります。
一方英語の語順は、文の一番大事な部分から始まり、文をより詳しく説明するお飾りは後ろに来ています。
何をしたのか(動詞)が先に来て、何を見たのか(目的語)がそのあとに続き、後半になってようやく誰と、いつ(修飾語)という情報が加わりますね。
このように、英語と日本語では文を作るときの語順が真逆になっていることがわかります。
また、英語の語順には5つの文型(語順)があります。皆さんも学校の教科書などで以下のような記号を目にしたことがあるのではないでしょうか。
英語の5つの文型
第1文型:S + V
第2文型:S + V + C
第3文型:S + V + O
第4文型:S + V + O + O
第5文型:S + V + O + C
ここでいうS (Subject)とは主語のこと、V (Verb)は動詞、O (Object)は目的語、C (Complement)は補語を意味しています。
英語の文はすべて、上記文型のいずれかに当てはまります。先ほどの例を見てみると、構成は下記のようになっています。
第3文型:S + V + Oにwith以下がくっついて文の修飾をしている形になります。
別に、英語の文章を見て、どの文型かどうかいちいちじっくり考える必要はありません。ですが、ネイティブは必ずこの語順のルールに従って英語を話しています。
なので、英語をスムーズに話したいのであれば、反射的にこういった語順に従って文を作れるようになる必要があります!
まずは単語をつなげて文を作るための大枠のルールである、「文型」から学び、そのあと他の文法事項も使えるようにするのが最適。
・② 最適な英文法の勉強時間 = 1週間~2週間くらい
冒頭でお伝えした通り、英語学習においては「文法はそこまで時間を割きすぎない程度にやる。」というところで、専門家の意見は落ち着いてきているようです。
英語学習の研究者の中には、以下のように英文法反対派と賛成派で意見が分かれます。
"英文法"反対派
英語を学ぶ上で文法は必要ない。実践でのコミュニケーションや多読をしたり、たくさん英語を聞いていれば英語は身につく
一方で、このように考える人もいます。
"英文法"賛成派
しっかりと英文法を学ぶべきだ!大人は子供と違って自然に第二言語を習得することは難しい。物心ついてからの語学習得は、ある程度理屈を踏まえて行わないとうまくいかない。
つまり、現段階ではっきりしているのは次のこと。
たくさん聴いたり、読んだりすると自然に文法が身につくという主張には根拠がない
これまで多くの研究の中で、文法の指導を受けた場合と、指導を受けずに英語を読んだり、聞いていただけの場合では、受けていたグループのほうが成績が2倍もよかったという結果が出ています。
一方で英文法不要論を支えるような研究結果も見られます。
文法ができるようになっても、試験問題が解けるようになるだけで、実際の会話力が向上するわけではない
ポイント
文法はそこまで時間を割きすぎない程度にやる。
アウトプットのトレーニングに優先して時間を使ったほうがいい。
本格的に会話の勉強をスタートする前に、基礎的な英文法を一通り、そんなに時間をかけずに復習するというのがベスト。
書籍を使って、英文法名人になることを目指すのではなく、後で行う英語のアウトプットトレーニングの前準備をしておくイメージ。
たしかに、覚えようと思ったフレーズに遭遇しても、あまりに英文法の知識があやふやだと、何度も文法書に立ち返って確認しなくてはいけなくなったりと、英語学習への意欲低下にもつながります。
そうならないためにも、「あー、こんな文法ルールあったなー」程度の復習をしましょう。
学生の頃、英語の勉強をされてきたのであれば、必要最低限の英文法知識は記憶の奥底にあるはずなので、書籍を1冊用意して1週間~2週間ぐらいで読むくらいでOK。
また、復習の際に注意すべきは以下のポイント。
ポイント
- 文法書の説明を読んでも理解できないような難しい文法はスルーしてOK
- 基本文法 (中学レベル) をざーっと理解する
文法書に小さく書かれているような、ちょっと難しい文法ルールや細かいことはわからなくても大丈夫。
気にせず次に進めてください。各文法事項の一番ポイントになる部分に注目して読み返せばOK。
・2. 英文法おさらいにおすすめの参考書3選
・おすすめの参考書①:「1回読んだら忘れない中学英語」
おススメポイント
- 文法のとらえ方を視覚的ににイメージできる
- 難しすぎる、細かすぎる文法事項がカットされている
- 英会話で使える助動詞のニュアンスを教えてくれる
中学英語に特化してくれている文法書で、英文法の根本の概念(こういうものだよ)というところを、すごくわかりやすい説明でイメージさせてくれます。
英文法のニュアンスを理解しながら復習するにはもってこいの内容です。
そんなあなたに特におすすめ!通勤時間にパラパラ見てるだけでも楽しめるやさしい本です。
・おすすめの参考書②:「中学 英語を もう一度ひとつひとつわかりやすく」
おススメポイント
- 中学生が読んでも理解できるほどわかりやすく丁寧な説明
- 練習問題付き。問題を解きながら理解したい人におすすめ
- 音源CD・著者による無料解説動画つき
中学校の3年間で学ぶ英文法の基礎を、難しい言葉は一切使わずに解説してくれる参考書です。
書き込み式のやさしい練習問題があるので、やりながら感覚で文を組み立てられるようになります。
また、テキストだけでも十分わかりやすいのですが、特典としてYouTubeにて無料で解説動画の視聴が可能です!動画を見ながら、先生の解説を聞きながら勉強したいという人向けにオススメです!
・おすすめの参考書③:「中学・高校6年間の英語をこの1冊でざっと復習する」
おススメポイント
- 細かいものはカット!本当に重要な部分だけを、厳選して復習できる
- 文法の最も大事なところから復習可能
- 先生と生徒の対話形式の説明がわかりやすい
こちらの参考書は上記2冊に比べ、英文法は割としっかり勉強してきた人向けの内容になってます。
なので、こちらの参考書は重要なポイントを絞ってより簡潔に書かれています。
説明を受けなくても文法はある程度覚えている人は、この参考書で「ざっと」振り返るぐらいがぴったり。
ということで、学習を続けていくために必要な目標設定の方法についての記事を紹介します。
具体的にどんな勉強をしていくか悩んでいる人にもおすすめの記事です。
-
英語学習を成功に導く目標設定の方法とは?【脱三日坊主!】
続きを見る
・3. まとめ
社会人になって改めて英語学習を再開する人は、「英文法をいちいちやり直さなくてもいいんじゃない?」と思いがち。
たしかに受験生のように難しく細かい文法事項をじっくりやり直す必要はありません。
ですが、英語は日本語と違って語順がとってもしっかりしている言語です。
つまり、単語を置く順番がいい加減だと言いたいことが、ネイティブに伝わりません。
「この文法はどういう場面で使えそうか」ということをイメージしながら、ざくっと復習してみてください。