- 英語を勉強してみたいなぁ。
- 英語ができたらメリットがありそう。仕事とか、旅行とか、趣味とか色々な面で。
- 最近やたらグローバルって聞く。なんかかっこいいイメージ。
こんな感じでなんとなく”英語ができるようになりたい・・・”と思ったことありませんか?
でも「続けられるか心配。なんか結局三日坊主になるんじゃ・・。ダイエットも続かなかったし。」なんて感じる人も多いかと思います。
たしかに新しいことを始めて、目標を達成するまでやりきる!のは誰にとってもエネルギーが必要ですのでそれも当然のこと。
それでは、"英語が話せるようになりたい"を叶えるためには何が必要なのか。
先に答えを言ってしまうと、それは"具体的で鮮明な目標設定"です。
そこで今回は、具体的で鮮明な目標設定が必要な理由と、英語学習を最後までやり切くための効果的な目標設定の方法について解説したいと思います!
目標設定の方法については、モチベーションと目標達成分野の第一人者、コロンビア大学のハイデイ・グラント・ハルバーソンによる「やり抜く人の9つの習慣」より、重要ポイントを抜粋してご紹介していきます。
目次
・1. 英語学習に目標設定が必要な理由
こちらでは、英語学習をスタートする前に、なぜ目標設定をする必要があるのか解説します。
・目標設定が必要な理由① :自分に必要な単語・フレーズを絞るため
Testyourvocab.comが行った調査によると、英語のネイティブ・スピーカーは一人あたり約2万~3万5千語の語彙数を持っているとのこと。
もちろん、ネイティブが同じ語彙を覚えているわけではなく、職業や興味、学校での専門によって語彙は様々異なります。
例えば、医者であれば病気や症状に関連する語彙を多く持ってるはずです。大学でフランス文学を教えている教授であれば、文学的な語彙をより多く持っていますよね。
一方、私たち日本人が中学~高校で習った単語数が3,000単語と言われています。
この単語数でも、最低限の会話はできるかもしれません。
でも、ネイティブと自然に会話をしたり、将来英語圏で不自由なく生活したりするためには約2万~3万5千語の語彙を目標に使える単語を増やしていきたいところ。
そこで自分の使える単語のバラエティを増やす場合、何を基準に覚えるべき単語を選びますか?
話したい内容に向けて必要な語彙を絞れば、効率的に英語学習が進められます。
ハーバード大学とGoogleの研究者たちによって行われた調査(2010年)によると、この世に存在する英単語の合計はなんと102万2千語。
当然、自分とは縁遠い単語もたくさんありますよね。
どんな場面で自分が英語を使いたいのか、英語でどんなことができるようになりたいのかを定めて、効率的な英語学習をしましょう。
もし目標が「ハリーポッターシリーズを字幕なしで見たい!」なら、ビジネスシーンで使うような単語・フレーズはいらないですよね?
学習ツールも、「ビジネスで頻出の〇〇単語!」よりも、映画で出てきそうな簡単な単語が使われている書籍や音源を使う方が、はるかに効果的。
・目標設定が必要な理由②: 必要な英語スキルを絞るため
習得すべき単語・フレーズの話と同様に、「英語を使って〇〇がしたい」が何かによって、伸ばすべきスキルも変わってきます。
例えば、「ハリーポッターを字幕なしで見たい」が目標の場合、ライティングやスピーキングの練習はいらないはず。
ハリーポッターを見て、内容を理解できるようにするためのリスニング力がつけばそれでいいからです。
一方、もし「海外旅行で現地ツアーに参加して、ネイティブの方々と交流したい」が目標の場合、スピーキングの練習はマスト。
さらに、ジェスチャーやコミュニケーションの文化的な違いについても抑えておきたいところ。
英語スキルは、主に「リーディング」、「リスニング」、「ライティング」、「スピーキング」の4つに分かれます。
自分が英語を使って何がしたいかによって、どこに比重を置くのかを明確にしましょう。
・目標設定が必要な理由③ :「興味のあること」は行動に移すためのパワーになるから
人は何かに向けて努力しようとするとき、何かしら目的があるはず。
そして、その努力をする理由や目的がはっきりしているほうが、うまくいく可能性が高いです。
理由や目的がはっきりするというのは、英語学習する目的が「まっとうな理由」ではなく、「自分の好奇心からくる理由」であること。
英語ができるようになったほうがいいことについて、「まっとうな理由」は誰しも持っています。
グローバル化が進んでいて英語ができたほうが仕事の上で有利だし、もし街中で話しかけられたときに対応できるようにしておきたいなど。
- 海外のファッションに興味があって、まだ日本に来てないファッション情報をいち早くネットで購読できるようになりたい。
- ニューヨークに憧れがあって、現地で働いてみたい
- 海外の映画が大好き!字幕なしで観れたら、もっと深く理解できて楽しそう。
- Taylor Swiftの歌詞の意味が知りたい
自分が願いを叶えてキラキラしている姿を思い浮かべれば、「できないと恥ずかしい」「失敗したらどうしよう」というネガティブな気持ちを超えて、自然に行動に移すことができるし、やってみよう!と思えるように。
・2. 目標設定のコツ
心理学的研究によると、目標を達成できる人たちは、達成するまでの思考や行動パターンに共通点があります。
私たちが目標を達成するためにも、こういった成功者の思考・行動パターンに基づいて行動すれば、成功も現実的なものに。
目標達成のための第一歩である「目標設定」について、成功者達が実践する方法をご紹介します♪
・目標設定のコツ① :目標は具体的にする
目標設定において、何よりも大切なのは「目標を具体的にすること」。
例えば、「痩せたい」であれば、「今年の夏までに5キロ痩せる」としたほうがいいわけです。
前述したように、「自分が望むものがはっきりしている」人は、最後までやりぬくことができます。
「どうなったら成功したと言える?」と聞かれた時に、自分の中で鮮明に成功した時の姿を詳しく答えられるようにしておくことが大切です。
目標が具体的だと、「もういいや!」と妥協してしまうことを防ぐことにつながります。
・目標設定のコツ②: メンタル・コントラストで成功確率を上げる
目標達成には、「目標達成のために何をすべきか」と「目標達成への障害になるものは何か」をはっきりさせることが必要です。
この2つの作業のことを心理学ではメンタルコントラストと呼びます。
メンタルコントラストを実践すると、目標を達成するための強い心構えができます。
このテクニックの具体的な方法は以下の通り。
- 目標を達成し、成功した時の「感情」をしっかりと味わう
- 心の中でその時に起きていることを明瞭にイメージする
- そこに至るまでの、障害を考える
例えば、「TOEIC900点を取得する!」といった目標を持った場合を想像してみましょう。
最初に想像するべきは「900点というスコアが記載されたスコアシートを手に取った時の自分の喜びの感情」を味わうこと。
次に、その時の自分の姿、周りの様子、友達や家族、恋人の姿を細かく鮮明にイメージします。
さらに、現状のあなたと、TOEIC 900点を持っている自分の差を考えてみます。
900点を取るまでにどんな障害があるかを考えると、例えば「勉強をさぼって結局続かずにやめてしまうかもしれない」ということを思います。
メンタルコントラストを実践することで、目標を達成する自信とやる気が高まると同時に、自分が成功するために「足りないものは何か」、「何をすべきか」がはっきりします
・目標設定のコツ③: 具体的な行動計画を立てる
私たちは、日々仕事に追われています。
やるべきこともたくさんあるし、達成したいことももしかしたら一つではないかもしれません。
そんな生活を送っていると、疲れて毎日の日課にしている「洋書」を1ページ読むといった習慣をサボってしまいたくなることがあるかも。
でも、目標の達成は日々のコツコツした積み重ねによって実現されます。
毎日の行動を着実に続けていくためには、あらかじめ「いつ何をするか」を予定に入れておく必要があります。
例えば、「毎週水曜日の夜20時から自分の机で「洋書」を1ページ読む」という予定をGoogleカレンダーに入れておくなど。
「細かい」かもしれませんが、「毎日洋書を読む」だと具体性がなさ過ぎて実際に行動する気力が起きません。
・目標設定のコツ④:「if-thenトレーニング」で前もってサボりを防ぐ
毎日の仕事をしっかりこなした上で、時間を効率的に使い、日々決めた行動を確実に実行していくのは簡単なことではありません。
- 職場で突然飲み会に誘われた
- 仕事でむかつくことがあって、ひどく疲れてしまった
- 仕事が多くて、英語の勉強とのバランスがつけづらい
こういった、目標達成のための行動を妨げる出来事にはどのように対処していけばいいのでしょうか?
こうした事態に対処する、心理学の簡単な方法が「if-thenトレーニング」です。
「if-thenトレーニング」とは「もし〇〇になったら、〇〇する」というのを予め決めておくというもの。
こういう状況になったらどういう行動をとるかを予め決めておくというのは、とてもシンプルですが実行できる確率を2倍~3倍まで上げるとても強力な方法なんです。
次のものがの「if-thenトレーニング」例です。
- もし飲み会が急に入ったら、次の日の朝に15分だけ勉強する
- もし職場の上司に嫌味を言われたら、深く深呼吸する
この方法の効果が如実に判明した心理学の実験をご紹介します。
この実験では「運動を習慣化させたい」という目標を持つ人々を2つのグループに分けました。
- 1つ目のグループの方々は、if-thenプランニングを使い、「もし、月曜日、水曜日、金曜日になったら、仕事の前に1時間ジムで汗を流す」というふうに目標を立てました。
- 2つ目のグループはif-thenプランニングは使わないで、普通に各々目標を立てました。
結果、if-thenプランニングを実践した1つ目のグループの目標達成率はなんと91%
対して、実践しなかったグループの成功率はたったの31%でした。
if-thenプランニングが効果的な理由は、脳は「XならYをする」という公式を記憶しやすいから。
そして無意識のうちにそれに従って行動することができるようになります!
・3. 目標設定した後にやるべきこと
目標を設定したら、それっきり。
これでは、自分がどれだけ進歩したのか、あとどれくらいやらなくてはいけないのかがわかりません。
なので、目標が決まったら定期的にフィードバックをしましょう。
・目標設定後にやるべきこと①: フィードバックデイを設ける
自分がどれだけできたのかわからないと、行動を見直すことができませんし、やる気を継続することも難しいです。
脳は無意識に、「今の自分の状態」と「自分が望む好ましい状態」を比べています。
もし目標までの距離が認識できないと、今の自分とのギャップがわからず、「やる気の低下」、「集中力の低下」につながります。
では、自分でモニタリングするためには、フィードバックはどれくらいの頻度で行えばいいのか。
これは、「①目標が短期的なものか」「②目標が長期的なものか」「③スキルの習熟度」によって変わります。
目標が長期/短期による理想的なフィードバックのペース
- 短期的な目標の場合: 頻繁にフィードバックを設定したほうが良い
- 長期的な目標の場合: ゆったりしたペースでフィードバックをしたほうがいい
・「短期的な目標の場合」: 頻繁にフィードバックを設定したほうが良い
目標達成までの期間が短いと、「エラーは命取り」になる可能性があります。
そのため、自分が正しい方向に向いて行動できているか頻繁に確認したほうがいいです。
スキルの習熟度による理想的なフィードバックのペース
- 上級者: 頻繁にフィードバックを設定したほうが良い
- 初級者: ゆったりしたペースでフィードバックをしたほうがいい
最近の研究の結果、初級者はあまり頻繁にフィードバックを行わないほうがいいとのこと。
まだスキルが未熟なうちにたくさんフィードバックをすると、混乱を招きかえって上達を妨げる要因になるからです。
ご自身の目標が、「長期的なものか短期的なものか」、また「英語の勉強を始める際にそこそこスキルはすでに高いかどうか」を意識してフィードバックデイの頻度を決めましょう!
また、実際に設定してみて、ちょっとまだ早すぎたかな、またはもう少し細かくモニタリングしたいな、と感じたら自分の好みで変更してください。
例えば、「〇月〇日(金)08:00になったら英語学習のフィードバックをする」というように、Googleカレンダーに自分の好きな頻度で予定を入れておくといいでしょう。
・目標設定後にやるべきこと②:フィードバックでモチベーションを上げる
目標に対して2つの思考が存在します。「これまで思考」と「これから思考」です。
「これまで思考」とは、自分がこれまでやり遂げた成果に注目すること。
一方で「これから思考」とはこれから何をする必要があるのか、という未来に向けた思考です。
ダイエットでも、「やった!5キロ痩せた」という「これまで思考」と、「あと3キロで目標達成だ!」という「これから思考」の2つが存在しますね。
これは、まだ目標を達成していない早い段階で、気が緩んでしまうことにつながるから。
つまり、やる気を継続するためには、この逆の「これから思考」に着目したほうがいいんです。
今いる時点からゴールまでの距離を意識すると、モチベーションを保つ・上げていくことができます。
勉強を始めてから、そこそこ結果が出てくると「お、私すごい!」と、ついつい嬉しくなりますが、喜ぶのは最後に輝かしい結果を残してからでも遅くないです。
・4. まとめ
英語学習における目標を達成するかどうかは、目標設定にかかっていると言っても過言ではありません。
「絶対これ欲しい!こうなりたい!」はシンプルけど、最後まで目標に突き進むための最強ツール。
また、夢を叶えるためには、時には冷静に自分の目標まで何をすればいいのか。
「前を向き続けること」を忘れてはいけません。
英語の勉強を通して、自分と向き合い、自分の変化を楽しみ、夢を叶えるというプロセスをお楽しみください。