今回はこういった疑問にお答えしていきます。
この記事の内容
- リダクションとは?
- リダクションをマスターする練習方法
私は独学で発音を学び、TOEICリスニングで満点を取った経験があります。
現在は、外資系企業にて英語で仕事をしています。
ネイティブの同僚と、英語で電話のやりとりをすることも多いです。
ネイティブが英語を話すときは、英語を見た目通りに話さないことがほとんど。
英会話では、発音するときに「音の変化」が起きます。
今回はそんな「音の変化」の一つ、「リダクション」についてわかりやすく説明していきます。
「リダクション」について知っておくと、リスニング・発音が上達しますので、さくっと読んでみてください。
目次
・1.リダクションとは?
リダクションとは、強調しなくていいところを「弱く発音する」 or「発音しない」ことです。
ネイティブスピーカーは、アクセントがないところや、意味をもたないところは強く発音しません。
理由は、そっちの方が滑らかに口が動いて話しやすいから。
ようは、ここさえちゃんと伝われば、言いたいことは伝わるってとこはしっかり強く発音する。
それ以外の音は適当でもいいから、発音もほとんどしない、もしくは発音しないってことです。
・2.リダクションの例
リダクションの種類はたくさんありますが、例をいくつか見てみましょう。
ネイティブがリダクションする頻度の高いものをまとめました。
・ほとんど発音しない母音
アクセントのある母音は強く、アクセントのない母音は弱く発音します。
次の例のように、下線で引いた母音は発音しないようにするのがコツ。
terrible = terrble 「テルブォ」
important = importnt 「インポートゥントゥ」
favorite = favrite 「フェイヴリット」
chocolate = chocolte 「チョコルトゥ」
restaurant = restrant 「レストゥラントゥ」
・that/itの[t]が省略される
"that"や"it"の最後の[t]はほとんど発音しないことが多いです。
Give me that. 「ギミダッ」
I'll make it. 「アゥメイキッ」
・" and"は"n"だけ発音する
"and"の" a"の音はほぼ発音せず、"n"だけ発音するような感じです。
Up and down = Up "n" down 「アップ ン ダウン」
Apple and Orange = Apple "n" Orange「アッポォ ン オォランジ」
・" or"は"r"だけを発音することがある
"or"についても、"r"の音だけで発音すると、ネイティブの発音に近くなります。
dog or cat = Dog "r" cat「ダッグゥァキャァット」
right or wrong = right "r" wrong 「ラァイ ゥァ ロォン」
口をすぼめて「ウ」のような音を出すのがコツ。
・herやhimから[h][th]が省略される
[h]や[th]が省略されて、herは"er"だけ、himは"im"のように発音されることがあります。
I told her = I told "er"「アイ トーゥダー」
gave him = gave "im"「ゲイヴィム」
他に、"them"、" his"からも[h][th]が省略されます。
met them = met "em"「メッテッム」
believe his story = believe "is" story「ビリィーヴィストーリー」
・前置詞(to, at, for)は弱く短く発音
to, at, forなどの前置詞も、全部をしっかりとは発音しません。
forは"f"だけ、atは" a"だけ、toは"t"だけ発音するイメージ。
This is for you = This is "f" you「ディスイズフユ」
at the office = "a" the office「アディオフィス」
go to the park = go "t" the park「ゴート(ゥ)ダパーク」
"for"は「フォー」ではなく、唇を閉じて「フ」にような音を出します。
"at"は"a"「アッ」
"to"は「トゥー」と長く発音せず、「ト(ゥ)」と短く早く発音します。
・be動詞 (was, were, isなど)
was, were, isといったbe動詞は、短く・早く発音します。
She is nice = 「シィズナイス」
You were great = 「ヨゥワグレイト」
He was looking 「ヒワズルッキング」
・some
someは"o"の音を強く発音せず、口を閉じて「スム」ぐらいの音になります。
次の例だと、someの後の名詞はしっかり、someは弱く・短く発音。
some flowers「スムフラァワーズ」
some oranges「スムオォランジィス」
・2.リダクションをマスターする練習方法
ここでは、リダクションを「聞き取れる」&「発音できる」ようにするための練習方法をご紹介します。
・英語音声をたくさん聞く
リダクションにはいろんなパターンがあることがわかったかと思います。
でも、今回ご紹介した例以外にも、リダクションするパターンはたくさん存在します。
なので、リダクションをマスターするためには、英語音声を聞くたびに少しずつ吸収していくのがベスト。
私も好きな海外ドラマを見ていくうちに、ネイティブがリダクションするときのパターンに慣れました。
続けることに意味がありますので、自分の好きなドラマや映画をチョイスしましょう。
・声に出して「リダクション」を体得する
英語音声を聞くだけでなく、実際に声に出して練習するのもとても大切です。
それは、自分で発音できる音は、聞き取ることができるからです。
実際に私も、発音の上達に比例してリスニングが上達してきました。
英語音声を聞いたら、同じように発音するつもりで続けて発音してみましょう。
ちなみに、この練習法はシャドーイングといいます。
シャドーイングのやり方については、【英語のシャドーイング】効果と正しいやり方を初心者にもわかりやすく説明しますで詳しくまとめてます。
・3.「音声変化」の練習におすすめの本
今回説明した「リダクション」以外にも、英語の音声変化には様々なパターンが存在します。
リスニングや発音を鍛えるためには、「音声変化」を含め、「英語の音」をマスターするのが一番大切です。
そこで、「英語の音」を全般的に学ぶことのできる、おすすめの教材を2冊紹介しておきます。
・おすすめ教材①:「英語は5つの口で発音できる」
おすすめ教材1つ目は、「英語は5つの口で発音できる」英語の発音強化に特化した書籍です。
リダクションと一緒に、「発音上達」のための全般的な学習がしたい人におすすめです。
おすすめポイント
- 「発音上達」に必要な要素が網羅されている
- CD付きでそのまま練習できる
- 写真付きでわかりやすい
リスニング上達に必要な「アルファベットの発音」、「音の変化」、「イントネーション」といった項目がすべてカバーされてます。
練習方法が具体的に載っているので、学習しつつ、同時に練習も進めたい人におすすめ。
・おすすめ教材②:「UDA式30音練習帳」
「UDA式30音練習帳」も英語の発音を1からマスターできる教材です。
12日間で完了できるトレーニング形式になっているので、迷いなく練習を始めることが出来ます。
おすすめポイント
- 発音するときのコツがわかりやすい
- 「何日目に〇〇ページをやる」構成で、勉強の計画が立てやすい
- 英語のイントネーションも練習できる
アルファベットの発音から始まり、リダクションなどの音声変化の練習も含まれています。
本書の通りに発音の練習をすれば、他の書籍などで知識を増やす必要はありません。
詳しくは、こちらの記事にもまとめてます。
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【英語の発音】を鍛えるための勉強法・おすすめの書籍、アプリを公開します
続きを見る
・4.リダクション以外の音声変化
英語の音声変化は、リダクション以外に「リンキング」「フラッピング」と呼ばれるものがあります。
そこで最後に、リダクション以外の音声変化についてまとめた記事を、併せて紹介しておきます。
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英語の音声変化の3つのルールを説明【リスニング・発音に効果あり】
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英語リンキングの3つのルールと正しい練習方法【TOEIC リスニング満点の私が解説】
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-
英語のフラッピングとは?【音声変化に慣れてリスニングが上達!】
続きを見る
・5.まとめ
今回は、英語の音声変化の一つ、「リダクション」について説明しました。
英語の発音では、「アクセントがない音」「強調しなくてもいいところ」はほとんど発音しません。
ぜひ今回ご紹介した一例を踏まえ、発音練習を行ってみてください。